2013年7月24日水曜日

「生き物はつながりの中で」 再考

前回「生き物は・・・」についてアップしたところ、うれしいことに反論のコメントがありました。以下
★投稿されたコメント
この説明文の、文章構成図は
    ①
    |
    ②

   ③④⑤

    ⑥
    |
    ⑦ だと思います。①は話題提示と呼びかけ
             ②が問い  ③④⑤が説明
             ⑥が答え
             ⑦が筆者の主張だと思います。
いかがですか?

前文が私の提案では1段落だけなのに対して、1・2段落ではないかという反論です。以下、再考したものを載せてみます。ここでも私は1段落だけを前文としています。1学期に実践したのですが、子どもたちも1段落だけだと言いましたが、、、、。ぜひ検討してみてください。そしてより正確な教材研究にしていきましょう。
なお、今回は吟味よみまで入れています。


★構造よみ
前文1  本文2~5  後文6 7
◎2段落は前文か本文かという観点。
・前文には問題提示=全体にかかわる問題 がある。1段落に問題らしき文が2つ(➃文・⑤文)ある。よって1段落は前文。
・ところが2段落にも問題らしき文(⑩文「しかし、本物のイヌとロボットのイヌは本当に同じでしょうか。」)がある。これは1段落➃文「ロボットのイヌは本物のイヌとはちがいます。」という結論=前提と矛盾するため、これは論を進めるための「なげかけ・よびかけ」と考えられる。
・そもそも2段落は、説明がはじまっている。よって2段落は本文となる。
◎6段落は、本文か後文かという観点。
・6段落はまとめであり、後文。7段落は筆者の考え主張が書かれており後文となる。
◎本文をいくつに分けるか  本文Ⅰ(2段落3段落)    本文Ⅱ(4段落)     本文Ⅲ(5段落)
・3段落の最後から2文目が、「・・・生き物の特徴です。」と一つの結論を述べているので、3段落で切れ4段落から別の説明がはじまることがわかる。
・4段落の最後は「・・・生き物らしいところであり、ロボットとのちがいです。」とここも一つの結論を述べているので、4段落で切れ5段落から別の説明がはじまることがわかる。
・5段落「次に」ではじまる。よって違う観点での説明であることがわかる。

★要約読み
前文
1段落の要約
説①イヌ型ロボットを知っていますか。
説②
説③でも、ロボットのイヌは本物のイヌとはちがいます。
柱⑤どこがちがうのでしょう。(柱的ではあるが、⑥でまとめられているとも言え、説明だとも考えられる。
 +・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
柱⑥そのちがいを考えながら、生き物の特徴をさぐってみましょう。
◎前文の要約
ロボットと本物のイヌのちがいを考え(ながら)、生き物の特徴をさぐる(ろう)。32文字

本文(本文Ⅰ 本文Ⅱ 本文Ⅲ)
2段落=説明 本物のイヌの説明
 ↓   ①書き出し
②~➃本物のイヌの説明
⑤生き物の説明 このように、生き物は、体外から必要なものを取り入れ、体内から不要なものを出して、内と外とで物質のやり取りをしています。
⑥~⑨ロボットのイヌの説明
  1. 次への問い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3段落=柱
①~⑤本物のイヌの例
    ⑥⑦人間の例
    ⑧⑨ロボットの例
柱⑩外から取り入れたものが自分(身体)の一部になる(り)、(そのようなつながり方で)外とつながっているのが、生き物の特徴です。
◎本文Ⅰの要約
外とつながっているのが、生き物の特徴だ。(20字)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4段落=柱
①~⑥本物のこと
柱⑦変化・成長しながら、一つの個体として時間をこえてつながっている、これも生き物の特徴です。
 ⑧説明
◎吟味
主語(本物のイヌは)  述語(つながっている)  
何と?「個体として」体の細胞が昨日から今日、明日へとつながっていることを個体として個体としてつながているという言い方でいいのか?
「つながる」という言葉は「何かと」「何か」が「つながる」というふうに2つ以上の者をつなげる時に使うのだが、、、。昨日のチロと今日のちろはつながっているというふうな言い方か、ちろ自身の体が一生を通じて変化しているけれどつながっているか、、、、。本来「生き物の特徴」から言うと、「変化・成長」することでいいのではないか?それを「つながっている」とするのは無理がある。
◎本文Ⅱの要約
一つの個体としてつながっているのも(が)、生き物の特徴だ。(26字)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5段落=柱 ①~⑥生まれ方の例(見てみましょう→例)
柱⑦このように、過去や未来の生き物たちとつながっていることも生き物の特徴です。
⑧説明
本文Ⅲの要約
過去や未来の生き物たちとつながっているの(こと)も、生き物の特徴だ。30

◎本文の要約
本文Ⅰ要約「外とつながっているのが、生き物の特徴だ。」(20字)
本文Ⅱ要約「一つの個体としてつながっているのが、生き物の特徴だ。」(26字)
本文Ⅲ要約「過去や未来の生き物たちとつながっていることも、生き物の特徴だ。」(31字)

後文
6段落
説 ①本物のイヌとイヌ型ロボットを比べながら、生き物の特徴を見てきました。
説 ②生き物は、外の世界とのつながり、一つの個体としてのつながり、長い時間の中で過去の生き物たちとのつながるというように、さまざまなつながりの中で生きていることがわかりました。
柱 ③このつながりこそが、生き物の生き物らしいところで有、ロボットとのちがいです。

柱文だけの要約 (この)つながり(こそ)が、生き物とロボットのちがいだ。20
  ↓(指示語)
この=外の世界とのつながりや、一つの個体としてのつながりや、過去の生き物たちとのつながりというような、さまざまな
    ↓(挿入)
外の世界とのつながりや、一つの個体としてのつながりや、過去の生き物たちとのつながりというような、さまざまなつながりこそが、生き物とロボットのちがいだ。
  ↓前文の2つの問題提示にあった答えにすると
  ◎6段落の要約
外の世界とのつながりや、一つの個体としてのつながりや、過去の生き物たちとのつながりというような、さまざまなつながりこそが、生き物の特徴で、生き物とロボットのちがいである。

7段落 
理由①あなたは、今日もあなたであり、明日もあなたであり続ける、たった一つのかけがえのない存在です
  理由②と同時に、あなたは過去のすべてとつながり、未来へもつながっていく存在なのです。
  理由③また、地球上の他の生き物ともつながっています
   ↓    (①+②+③)→(➃+⑤)
          (理由) → よびかけ(筆者の主張)
  柱 ➃そう考えると、今、あなたが生き物として生きていることが、とてもすてきに思えてきませんか。
   +   ➃要約「あなたが生き物として生きていることが、すてきに思える。」
  柱 ⑤そして、自分自身のことが大切であるように、他も大切であるという気持ちになりませんか。
    ⑤要約「自分自身と同様、他も大切であるという気持ちになる。」
7段落の要約➃+⑤
「あなたが生き物として生きていることが、すてきに思え、自分自身と同様、他も大切であるという気持ちになる。


★吟味よみ(観点①本分と理由の整合性  観点②理由と主張の整合性、納得感)
吟味観点①(①②③の下線部分が本文からのつけくわえ、おきかえになっている。ずれを確認して、吟味する。)
①は本文のどこのことなのか?なぜ自分であり続けることがかけがえのないことなのか?納得できるか?
②は「存在」の意味を理解できるかどうか。存在とはなにか?なぜわざわざ存在と言っているのか?
③は、本文のなんとの置き換えか?「外の世界とつながり」のおきかえ。これがわかるかどうか?
吟味観点②
「あなたが生き物として生きていること」=「つながっている」「かけがえがない」ということであろうと読める。「かけがえのない」=4段落「自分自身とのつながり」でる。このために無理筋で入れたとも思える。
ここを「つながり」を使って述べればよかったのではないか。
総評

基本的に「つながり」にまとめようとした点に若干無理が生じたのではないか。4段落「一つは自分自身の中でのつながり。」が無理筋か。そのために7段落で順序を入れ替えてあるのかもしれない。

※なお、前回の教材研究は何年も前のもので、教科書の教材自体が手直しされているようです。それもあり今回再び再考してみました。

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