0, 表層① ジャンル (説明的文章 論説文)
はたしてこの「生き物は円柱形」は説明文なのか、論説文なのか、議論の分かれるところである。前文の「生き物は円柱形である。」は証明済みの事実と言えるであろうか?その前提である「生き物に共通性がある」「生き物は多様である」ということは証明済みの事実と言えるであろうか?そもそも、それが証明済みであるかどうかを子どもは分かるはずもないのではないかという疑問が出てくる。それは大人にとっても同じである。
そうだとすると、「論説文である根拠=仮説を含む」だけでは不十分だと言える。あえて上げるとすると、「何かと証明しようとしている説明文」ということか。
だとすると、「生き物は円柱形」だということを証明しようと試みているので=論説文だと考えるとすっきりとするのではないかと考える。
② 段落 11段落
③ 語句 多様・共通性・首
④ 音読・判読
1, 構造前文 1段落
本文 2段落~9段落
本文Ⅰ 2~5 円柱形は生き物の基本になっている
本文Ⅱ 6~10なぜ生き物の基本は円柱形になっているのか
後文 11段落
★構造よみのポイント
①10段落を本文とするのか、後文とするのか。
2, 論理よみ★前文
①話題の提示「地球には、たくさんの生き物がいる。」
②柱「生き物の、最も生き物のらしいところは、多様性だというところだろう。」
③柱「しかし、よく見ると、その中に共通性がある。」
④例「形の上でわかりやすい共通性は、「生き物は円柱形だ」という点だ。」
「問題文を④文に続けて書いてみよう。」
「共通性の一つである「生き物は円柱形だ。」という点について考えてみよう。」
※前文の分析は大変難解である。よって、一応答えを出しておいて、後文まで読み取っ た後に、後文を前文の整合性を吟味することで、もう一度分析するようにしたい。
※➃文を柱と考えることもできる。なぜなら➃文こそが題名と整合しているからであ る。
★本文
本文Ⅰ 2~5 円柱形は生き物の基本になっている
2段落 例(円柱形の例 人間)
3段落 例(円柱形の例 動物植物)
4段落 説明 例外の例
5段落 4段落の例外の説明
※2〜5段落にいわゆる柱の段落はないように思える。
本文Ⅱ 6~9 なぜ生き物の基本は円柱形になっているのか
6段落 問題(柱)
7段落 例(実験1)強さ(8段落)のための実験
8段落 説明 強さ(柱の答え1)
9段落 説明 速さ(柱の答え2)
★本文Ⅲ
10段落 柱
① 例 円柱形の利点1強さ(7・8段落を受けている)
② 例 円柱形の利点2速さ(9段落を受けている)
③ 柱 「だからこそ」(結論を述べようとしている)(2~5段落を受けている)
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※こうしてみてくると、本文Ⅰは6段落の前提になっており、本文Ⅱは6段落の証明になっているといえる。よって、本文を分けたことの根拠?が薄らいでくる。本文は2~9段落でよいのではないかと思えてくる。それでもあえて分けるとすると
本文Ⅰ(2~5段落)前提
本文Ⅱ(6段落)結論
本文Ⅲ(7~9段落)証明
とする方が、文章構成的にあっているように思う。
だとすると、実践的にはこの【前提】→【結論】←【証明】の関係を読み取ることが論理読みの課題となるのではないかと思う。
しかし、こうしてみてくると
6段落は本文Ⅰの結論であるが、それは同時に本文Ⅲの前提になっているのではないか、ということである。そうすると以下のようになる
本文Ⅰ(2~5段落) 前提
↓
本文Ⅱ(6段落) 結論=前提
↓
本文Ⅲ(7~9段落) 結論
ここで10段が浮かび上がってくる。
10段落は本文Ⅲなのではないか。そう考えるとぴたっとあてはまるように思える。
本文Ⅰ(2~5段落) 前提Ⅰ
↓
本文Ⅱ(6段落) 結論Ⅰ=前提Ⅱ
↓
本文Ⅲ(7~10段落) 結論Ⅱ
ということになる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★後文
11段落 柱
① 事実
② 説明
③ 筆者の感想
④ 意見
⑤ 意見
⑥ 柱
3, 吟味よみ1段落 多様であるが、共通性がある。ということは本当に多様と言えるのか?
多様である証拠は?。(一般的に多様であること承認していい)
2段落 「体の部分で円柱形でないものはない?」・・・頭はどうか?(「首」がどこを示 しているのかも論議)
4段落 「でも」で、例外を出し、それを説明することで説得力を持たせている。
逆にあらかじめ例外を出すことで読み手の思考を誘導しているとも言える。
述べられた以外の例外はないか? 例えば卵や種はどうだろうか?卵や種は生き 物にとってもっとも重要なものであろう。しかし、円柱形ではない。球体に近 い。それは球体が一番強いからではないのか。
6段落 【前提Ⅰ】の【結論】は「生き物の基本が円柱形」だと読める。
では、「生き物の基本が円柱形」とはどういう意味か?
前文では「形の上でわかりやすい共通性は、「生き物は円柱形だ。」」とある。 「形の上」と限定がいつのまにか外されて、「基本が」とすりかわっている。
正確には「生き物の形の基本形が」とすべきであろう。
8段落 「円柱形は強い形」の根拠は7段落の実験。強いにあわない例はないのか?
チョウの胴体は円柱形であるが強いのか?ミミズは?
角のある形より、曲げやすいから円柱形とは言えないか?
11段落 11段落の6文のうち5文が「多様」だと言っている。最後の⑥文だけが共通性を 述べている。本文で述べてきたことは「円柱形」であり、それは「共通性」で あったはずである。
「生き物は実に多様である。」多様でないことを述べてきたのではないか?
「多様な大きさや形をかくとくしてきた」形まで多様だと言っている。矛盾して ないか?
筆者は「生き物は多様」だと(形もふくめ)。それが素晴らしいと言っている。 後文のほとんどそのことを述べることに使っている。このことから、筆者が言い たかったことは「生き物は多様で、それであるがゆえに素晴らしい」ということ だと考えられる。
では、
「それと同時に、多様なものの中から共通性を見いだし、なぜ同じなのかを考える ことも、実におもしろい。」ということはどういうことか?
見つだす行為、その理由を「考える」ことが「おもしろい」と言っている。
前文と後文の整合性はどうか?。
※まだ不十分で不正確な分析である。たたき台として提示する。大変面白教材であり、ようやく小学校にも出てきた「論説文」である。みんなで深めていきたい。
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