2013年5月10日金曜日

はじめての構造よみ 「カレーライス」

 はじめての物語カレーライス。その構造よみ。水戸黄門などを例に出し、おもしろおかしく構造を説明。次の時間いよいよカレーライスの構造読み。
 発端について考え会っている時でした。なんせはじめての経験。しっかりと発端とは何かを理解させたいと思いました。そこで、
「この物語は、どんな物語かな?一言で言うとすると」
こう子どもたちに問いかけることからはじめました。
子どもたちは、班会議を経て次のような4つの意見を出してきました。
①    けんか
②    けんかのきっかけ
③    きずな
④    なかなおり
「いいねえ、きずなかあ、深いとことまで考えた意見だね。でも、これ、順番が変じゃない。この四つを物語に会うように並べかえるとどうなる?」
「けんかのきっかけ→けんか→なかなおり→きずな」
子どもたちは口々に言いました。
「じゃあ、発端に指標にそって考えてみよう。まず、何かと何かの出会い。このけんかは、だれとだれのけんか?」
「ぼくとお父さん」
「そうだね、ということは、この二人が出会うところが発端だね。それはどこ?」
こうして、発端は「お父さんウィークの初日」という案が出てきました。
もちろん、「けんかした状態のぼくとお父さんの出会い」という意味です。
そこまで、実はお父さんは登場しないこともページを追いながらみんなで確認しました。
そして、けんかをした状態で迎えるお父さんウィークがはじめてのこと=いつもと違うことであること。発端まで(導入部)は、けんかになった理由の説明であること(導入部には説明が書かれていること)などを確認しました。


特に戸惑うこともなく、子どもたちと一緒に考えなら進めました。「発端」に関わり指導しなければならない学習内容について、おおむねふれることができたと思います。

2013年5月7日火曜日

「動いて、考えて、また動く」 高野 進   教材研究

1,    表層
①    語句 ぎもん・工夫・うでで走る
②    指示語
1段落
4文「そのように」→運動でも勉強でも、「まず動く、そして考える」ことが大切
2段落
2文「それは」→当時取り組んでいた走り方は
5文「この方法」→(「ひざを高く上げて」「あしを思い切り後ろにける」)つまり大きな動作で走る
3段落
4文「このとき」→すばらしい結果が出たとき
4段落
1文「それまで」→大きな動作で走っていたとき
3文「それは」→ひざを高く上げること
   5段落
1文「それから」→地面を強くふむことを意識して行うことが大切だと気づいてから
    3文「その力で」→あしを後ろにける
    4文「これでは」→あしを後ろにけって、その力で前にすすもうとすると
    4文「そのあしを」→後ろにのこって
6段落
1「このことは」→
   5「このほうが」
   6「これでは」
7段落
1「このように」
2「そうすることによって」→自分にあったあしの動かし方や、うでのふり方を考えることによって
6「そうでないか」→「何がむだでないか」
  8段落
1「こうした経験」→1段落~7段落
2「そこから」→「まず動く、そして考える」


③    接続後
2段落
「つまり」
「けれども」
「そこで」


1,    構造よみ

    A案     B案       C案
前文 1段落     1段落     1~2段落
本文 2~7    2~6段落    5~6段落
後文 8      7~8段落    7~8段落

★本文の段落関係  2←【(3←4)+5+6】+7
(問題意識)
2段落 柱 疑問  ①「ひざを高く上げて」 ②「あしを思い切り後ろにける」

(大きな動作で走るAひざの上げ方について)
3段落 柱 「そこで」ひざを高くあげる走り←
4段落 説 「後から考えて分かった」3段落の説明
    (大きな動作で走るBあしのけりについて)
5段落 柱 「もう一つの」あしを思い切りける走り方
(大きな動作で走るCうでのふり方について)
6段落 柱 「あしの動きと同時に、うでのふり方も」

(本文のまとめ)
7段落 柱 「このように」

2,    論理よみ

1段落・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①    (柱)運動でも勉強でも、「まず動く、そして考える」ことが大切です。
②    (説)そうして何度も成功や失敗をくり返しながら工夫を重ねると、きっと、自分にとって最高のものを実現できます。
③    (事)わたしは、かって陸上四百メートル走の選手であり、今はコーチとして指導をしています。
④    (理)最高の走り方を目ざして取り組んできた長年の経験から、そのように考えるようになりました。
★【文関係の考察】
1段落の①文と②文は2通りの関係が考えられる。
A①で最初に主張を述べ、②で説明している。
タイトルからも分かるとおり、①文が柱。②文は①文の説明。
①と②の関係をみると次のように考えられる。
・①「まず動く、そして考える」=説明②(何度も成功や失敗をくり返しながら)工夫を重ねる
・①「大切」=説明②「自分にとって最高のものを実現」
また、説明と同義あるいは類義の補足ともとれる。
「何度も成功や失敗を繰り返しながら工夫することが大切で、そのためには「まず動く、そして考える」事である。
Bまた②文は①文の言い換えとも考えられる。どちらが高次元かということ、前出と同じ理由で①文となる。
③④は、①のような考えにいたった背景?を述べている。背景を述べつつ権威付けをしている。
★【要約】「まず動く、そして考える」ことが大切だ。(20文字)
2段落・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①    (柱)わたしが走り方を工夫し始めたきっかけは、高校生のとき、当時取り組んでいた走り方にぎもんを感じたことでした。
②    (説)それは、「ひざを高く上げて」「あしを思い切り後ろにける」、つまり大きな動作で走るというものです
③    (説)そうすれば、速く走れるといわれていたのです。
④    (説)わたしは、毎日毎日この練習をくり返していました。
⑤    (説)けれども、この方法で四百メートルを走ると、苦しくて最後までつづかないのです。
⑥    (説)「何かがちがうのではないか。」と、なやみ始めました。
★【文関係の考察】
A案
①文が柱。②文の「それは」は①文の(ぎもんを感じた)「当時取り組んでいた走り方」であり、よって②文は①文の説明。①文に絞り込まれる。③文はその走り方に対する当時の受け取り方。当時の盲信ぶりを述べることで、①文の「ぎもん」を持ったことの非常識の度合いの価値付けになっている。③文は①文の補足的な説明。④~⑤までは、①の「ぎもん」を持つにいたった経過の説明。
B案
柱は①文。②③文は、①文の「当時取り組んでいた走り方」の説明。④⑤文は、⑥文の「なやみ」の生まれた背景。そしてそのまま⑥文が①文の「疑問」の内容。
★【要約】
柱①文の要約→走り方を工夫し始めたきっかけは、当時取り組んでいた走り方にぎもんを感じたことだ。40文字
説②「大きな動作で走る」を①文の要約文に挿入する。
2段落の要約文=走り方を工夫し始めたきっかけは、当時取り組んでいた「大きな動作で走る」走り方にぎもんを感じたことだ。50文字
★【吟味】
一文をさらに要約すると結局「工夫し始めたきっかけは、ぎもんを感じたことだ。」となる。究極的には「ぎもんをかんじたこと」が「工夫」につながると述べている。これは「動く、そして考える」が逆ではないのか?もちろん「卵と鶏」の関係なのであろうが、、、、。


3段落・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①    (柱)そこで、わたしは、少しでも楽に走れないものかと、べつの走り方をあれこれためしてみました。
②    (説)あるとき、「ひざを高く上げるような、大きな動作をせず走ったらどうなるのか。」と思いつきました。
③    (説)静岡県の記録会でためしてみると、予想をはるかに上回るすばらしい結果が出ました。
④    (説)このとき、必ずしも大きな動作で走るのがよいとはかぎらないのだと思いました。
★【文関係の考察】
柱は①文。②文の「」が①文のべつの走り方
柱が①文か②文か異論が出るところ
・①文を柱とする考え。①文の「あれこれ」こそが筆者のいうところの「まず動く、そして考える」そのものと考えられるからである。
また①文の「べつの走り方」は、②文の「ひざを高く上げるような、大きな動作を」しない走り方であり、②文は①文をくわしく説明している。③④文はその結果の説明。
・②文を柱とする考え。しかし①文は②文の思いへ至った経過の説明だとも考えられ、②文が筆者が言うところの「まず動く」にあたるのであろうことから②文が柱とするとらえ方。
・結局文章は筆者の意図とは関係なく書かれた独立したものだとする立場に立てば、「書かれ方」こそが重要だという立場から考えると、①文を柱とし、②文がそれに対応する文だと考えるのが今のところ妥当とする立場に立つ。
③文は②文で「思いついた」ことの結果の説明。
④文は②文で「思いついた」こと、③文の「すばらしい結果」が出たことの論理的な説明。
★【要約】①文=少しでも楽に走れないものかと、べつの走り方をあれこれためした。(31文字)
前文の「動いて、考えて、また動く」の「動いて」にあたるのは、「別の走り方を」「あれこれためし」である。よって、そこを具体的に入れると、
少しでも楽にはしれないかと、べつの走り方をあれこれためし、あるとき「ひざを高く上げない」走り方をためした。
④文=このとき、必ずしも大きな動作で走るのがよいとはかぎらないのだと思いました。を合わせて要約文とする。
楽に走れないかと、べつの走り方をためした結果、必ずしも大きな動作で走るのがよいとはかぎらないのだと思った。(57文字)
★【吟味】
②文から①文へと辿り着いた経過はどうだったのか?どの程度試行錯誤があったのか?②文の他にどんな走り方をやってみたのか?本当に他の走り方をしたのか?

4段落・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①    (説)後から考えて分かったのですが、それまでのわたしの、走るとき「ひざを高く引き上げる」ことばかりを考えすぎていました。
②    (説)たしかに、ひざを高く上げることは必要です。
③    (説)でも、それは地面をより強くふむために必要なのであり、ただ高く上げることに意味があるわけではないのです。
④    (柱)同じひざを高く上げる動作でも、地面を強くふむことを意識して行うことが大切なのだと気がつきました。
★【文関係の考察】
3段落の結果の説明の段落である。よって4段落は、3段落に絞り込まれる。よって要約する必要はない。
★【要約文】ひざを高く上げる動作でも、地面を強くふむことを意識して行うことが大切なのだと気づいた。
★【吟味】なぜ、地面を強くふくことが必要なのか?
     結局、ひざは高く上げるのか上げないのか?



5段落・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①    (説)もう一つの「あしを思い切り後ろにける」ことについては、それからしばらくして、べつの発見をしました。
②    (柱)あしを後ろにけるのではなく、体の下にしぜんに下ろしていく感じで走るとよいのです。
③    (説)走るときは、ついあしを後ろにけって、その力で前に進もうとしています。
④    (説)しかし、これではあしが後ろにのこってしまい、そのあしを前にもってくる分のむだが生じます。
⑤    (例)忍者がぴたあっと下り坂をかけ下りていくようなイメージで走ると、体のむだな動きがなくなり、すうっと進んでいけます。
【文関係の考察】この段落も、4段落とともに3段落に絞り込まれる段落である。


6段落・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①    (柱)あしの動きと同時に、うでのふりも重要です。
②    (説)このことは、陸上をつづけているとだれもが気がつくことです。
③    (例)陸上では、「うでで走れ。」という言葉があるほどです。
④    (例)ためにし、両手を後ろに組んで数十メートル走ってみてください。
⑤    (説)このほうが速く走れるという人はいないでしょう。
⑥    (説)これでは、着地するごとにかたがゆれてしまい、地面を強くふむことができません。
⑦    (説)右あしを出したときに左うでを前にふる、左あしを出したとき右うでを前にふるようにすれば、体全体のバランスが取れて、うでの力も使って力強くふみつけることができるようです。
★【文関係の考察】
②文~⑥文までは、①文「うでのふりの重要」性の説明。⑦文は①文に対応し、どううでをふればいいのかの説明。
★【要約文】うでのふりは、体全体のバランスを取り、力強くふみつけるために重要だ。(34文字)
なぜ「うでのふりが重要」なのかは、⑦文の「バランス」にあり、「バランス」がとれれば「力強くふみつけることができる」となっている。よって①文+⑦文で要約文を作る
★【吟味】


7段落・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①    (説)このように、いろいろためしながら、自分に合ったあしの動かし方や、うでのふり方を考えました。
②    (柱)そうすることによって、自分にとって最高の走り方を見つけることができた気がします。
③    (説or前提)人によって、ほねの長さや筋肉のつき方はちがいます。
④    (説or結論→前提)ですから、習ったことなぞるだけでは、自分に合った走り方を身につけることはできません。
⑤    (説or最終結論=柱)何がむだか、そうでないかは、自分で動いてみて発見するしかないのです。
★【文関係の考察】
A案 ②文を柱とし、他の文は②文の説明する見方
①文の「このように」で、2~6段を受け「自分に合ったあしの動かし方」「うでのふり方を考えました」とまとめている。②文の「そうすることによって」で①を受けて、まとめたことを「自分にとって最高の走り方」より高次に言い換えている。②文が柱。②文の「自分にとって最高の走り方」を①文の「自分に合ったあしの動かし方」「うでのふり方」が説明しているとも言える。③~⑤文は、②文の「自分にとって」の説明とも言える。
B案 ①②文と③④⑤文では違う内容を述べており、②文と⑥文、柱が2つあるとする見方
①②文は②~⑥段のまとめ。①文を②文で言い換えてまとめているので柱。
③文は④文の前提、④文が結論でありさらに⑤文の前提、⑤文が結論(柱)。とみる見方。
★【要約文】
いろいろためしながら考えることによって、自分にとって最高の走り方を見つけることができた気がする。
★【吟味】
・「自分にあった」「あしの動かし方」・「自分にあった」「うでの動かし方」
・それは「自分に(筆者)に合った」走り方なのか?多くの人に合った走り方=走り方の基本ではないのか?
★2~7段落までの要約
2段落→走り方を工夫し始めたきっかけは、当時取り組んでいた走り方にぎもんを感じたことだ。
 (当時取り組んでいた走り方)→「ひざを高く上げて」「あしを思い切り後ろにける」、つまり大きな動作で走る」①+②走り方を工夫し始めたきっかけは、当時取り組んでいた「ひざを高く上げて」「あしを思い切り後ろにける」走り方にぎもんを感じたことだ。
3段落→少しでも楽に走れないかと、べつの走り方をあれこれためしてみた
 (べつの走り方)→ひざを高く上げるような、大きな動作をせずに走る走り方。
①+②少しでも楽に走れないかと、ひざを高く上げるような、大きな動作をせずに走る走り方をためしてみた。
4段落→ひざを高く上げる動作でも、地面を強くふむことを意識して行うことが大切だ。
5段落→あしを後ろにけるのではなく、体の下にしぜんに下ろしていく感じで走るとよい。
6段落→あしの動きと同時に、うでのふりも重要だ。
7段落→そうすることで、自分にとって最高の走り方を見つけることができた。
8段落・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①    (柱)こうした経験からみなさんにつたえたいことは、自分にとって最高のものを実現するためには、「まず動く、そして考える」ことが大切だということです。
②    (説)自分なりの工夫も発見も、そこから始まります。
③    (説)自分から積極的に動いてみましょう。
④    (柱)そうして、成功や失敗をくり返し、工夫を重ねていくことで、あなたにしかできない方法が、きっと見つかるはずです。
★【文関係の考察】
★【要約文】
①自分にとって最高のものを実現するためには、「まず動く、そして考える」ことが大切である。
⑤    成功や失敗をくり返し、工夫を重ねていくことで、あなたにしかできない方法が、きっと見つかる。
①+④自分にとって最高のものを実現するためには、「まず動く、そして考える」ことが大切で、成功や失敗をくり返し、工夫を重ねていくことで、あなたにしかできない方法見つかる。

未完・・・残念

生き物はつながりの中で

前文
1段落要約
説①イヌ型ロボットを知っていますか。

説②

説③でも、ロボットのイヌは本物のイヌとはちがいます。
 ↓
柱④どこがちがうのでしょう。
 +・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
柱⑤そのちがいを考えながら、生き物の特徴をさぐってみましょう。
要約【ロボットと本物のイヌのちがいを考えながら、生き物の特徴をさぐろう。】
33文字

★本文(本文Ⅰ 本文Ⅱ 本文Ⅲ)
 2段落 説明 本物のイヌの説明
 ↓
 3段落 説明 ロボットのイヌの説明
 ↓
 4段落 柱 ①~⑦本物のこと
    ⑧⑨文 ロボットのこと
柱⑩文 外から取り入れたものが自分(身体)の一部になる(り)、(そのようなつながり方で)外とつながっているのが、生き物の特徴です。
 +・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5段落柱①~⑥本物のこと
柱⑦文 変化・成長しながら、一つの個体として時間をこえてつながっている、これも生き物の特徴です。
柱⑧ロボットには、このような変化や成長はありません。(ロボットのこと)
 +・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6段落 柱 ①~⑥
柱⑦チロもあなとも、長い長い生命の歴史があったから生まれてきたのです。
柱⑧どんなによくできたロボットでも、このようにして子孫を残すことはできません。
要約文(つながりをとるか、内容をとるか)
・    生き物は、外から取り入れたものを自分の一部とし、一生を通じて変化・成長し、子孫を残す(ことで生命のつながりを持っている)という特徴がる。
・    (食べ物を外から取り入れ自分の一部とすることで、)外とつながり、(一生を通じて変化・成長することで)個体として時間をこえてつながり、(子孫を残すということで)生命の歴史としてつながっていることが生き物の特徴である。

★後文
7段落 
① 説
② 説 外とのつながり・個体としてのつながり、過去の生き物たちとのつながり
③    柱 このつながり
要約 外の世界(とのつながり)や個体(としてのつながり)、過去の生き物(たち)とのつながりが、生き物の生き物らしいところだ。51字

8段落 前提①
    ↓
  結論②だから
    ↑
  例 ③まとめて
  ・・↓・・・・・
  柱 ④
    +
  柱 前提⑤
 ・・・↑・・・・・・・・・・・・・・・・・
  柱 結論 前提⑥そう考えると
    +
  柱 結論   ⑦そして

説明的文章の読み方指導の流れ

★説明的文章の指導の中心的なねらい
 ①事実と論理の読み取り
 ②上位概念、下位概念

★説明的文章の指導順序
0,    表層よみ
①     ジャンルの確認
文章によって読む目的が違ってくる。その文章がどういった文章かを見極めるちからをつけることが重要。
最近論説文も小学校の教科書にも載せられるようになってきている。

・記録文=「時間の論理(順序)」で書かれている
・説明文=「時間のの論理」以外で書かれたもの。定説を説明したもの。
・論説文=「時間のの論理」以外で書かれたもの。仮説を論証したもの。

②     段落の指導
③     語句の指導
④     音読・範読

1,    構造よみ
前文(問題提示・話題提示)全体を包括する問題・話題。時には結論を述べることも
本文(前文で提示された問題を説明)
後文(全体を包括するまとめ・結論、残された問題、新しい問題)

低学年では三部構造のないものが多い。
構造よみでは「包含関係」を重視する。(前文・後文は全体を包括しているかどうか)
本文がいくつかに分かれる場合は本文Ⅰ、本文Ⅱ、、、として区切り小見出しをつける
①    前文を明らかにする。→説明文の内容目的を理解。
②    後文を明らかにする。→前文との整合性に着目。残りが本文。
③    接続語、くりかえし使われる言葉などに着目し手がかりとする。

2,    論理よみ
段落相互、文相互の関係を読み取る
上位概念下位概念を育てる
要約の仕方を学ぶ

・前文(問題文を明らかにする。)(後文や本文との整合性をみる)
・本文(段落相互、文相互の関係を読む)
記録文=「いつ」を基準に5W1Hで要約する。
説明文=柱の段落(文)をもとに段落関係(文関係)を読み取り、要約する。
柱←(説明、例、理由、、)
      論説文=前提→結論の関係を読み取り、要約する。
※要約文=柱の文を明らかにし、柱の文を要約する。(分節に区切る。内容や制限字数に合わせて下から取捨選択していく。常体にする。)
・後文(要旨を読み取る)

3,    吟味よみ
★事実現実との対応を吟味する
 ①    事実が現実と対応しているか
 ②    事実が二つ以上に解釈できて誤解を生じさせないか
 ③    誤解を与える事実提示はないか
 ④    事実提示に誇張・矮小化はないか
 ⑤ 選ばれた事実は妥当か
★柱と他の関係を吟味する
 ① 柱と説明(例)の整合性はとれているか。適切か。
 ② 他に説明(例)は考えられないか
 ③ わざと隠されている(見落とされている)説明(例)はないか
★論理関係を吟味する
 ① 論理に飛躍・すりかえ・ねじれはないか
 ② 論理の整合性はとれているか
 ③ 前文と後文の整合性はとれているか
 ④ 後文の根拠はあるか。

記録文=事実の吟味
説明文=事実と論理を吟味
論説文=前提と結論の関係を吟味 仮説の検証

吟味読みは、時には表層、構造、論理よみの段階で平行して行うこともある。
特に後文と本文での説明の論理関係に着目。後文の論証として本文は十分か、整合性はとれているかなど。

4,    その他
・「指示語」「接続語」「比喩」などの指導も必要に応じて行う。

・学年ごとの中心内容
1年生→表層読みと吟味読み(書かれていることの把握、事実の読み取りと、文、段落の意識付け)
2年生→表層読みと吟味読みと構造よみの導入
中学年→表層読み・構造よみ・吟味読みと論理読みの導入
高学年→表層読み・構造よみ・論理読み・吟味読み



生き物は円柱形 その2(教材分析)

0,    表層①    ジャンル (説明的文章 論説文)
はたしてこの「生き物は円柱形」は説明文なのか、論説文なのか、議論の分かれるところである。前文の「生き物は円柱形である。」は証明済みの事実と言えるであろうか?その前提である「生き物に共通性がある」「生き物は多様である」ということは証明済みの事実と言えるであろうか?そもそも、それが証明済みであるかどうかを子どもは分かるはずもないのではないかという疑問が出てくる。それは大人にとっても同じである。
そうだとすると、「論説文である根拠=仮説を含む」だけでは不十分だと言える。あえて上げるとすると、「何かと証明しようとしている説明文」ということか。
だとすると、「生き物は円柱形」だということを証明しようと試みているので=論説文だと考えるとすっきりとするのではないかと考える。

②    段落 11段落
③    語句   多様・共通性・首
④    音読・判読

1,    構造前文 1段落
本文 2段落~9段落
   本文Ⅰ 2~5 円柱形は生き物の基本になっている
   本文Ⅱ 6~10なぜ生き物の基本は円柱形になっているのか
後文 11段落
★構造よみのポイント
 ①10段落を本文とするのか、後文とするのか。

2,    論理よみ★前文
 ①話題の提示「地球には、たくさんの生き物がいる。」
 ②柱「生き物の、最も生き物のらしいところは、多様性だというところだろう。」
 ③柱「しかし、よく見ると、その中に共通性がある。」
 ④例「形の上でわかりやすい共通性は、「生き物は円柱形だ」という点だ。」
  「問題文を④文に続けて書いてみよう。」
  「共通性の一つである「生き物は円柱形だ。」という点について考えてみよう。」
  ※前文の分析は大変難解である。よって、一応答えを出しておいて、後文まで読み取っ  た後に、後文を前文の整合性を吟味することで、もう一度分析するようにしたい。
  ※➃文を柱と考えることもできる。なぜなら➃文こそが題名と整合しているからであ   る。

★本文
  本文Ⅰ 2~5 円柱形は生き物の基本になっている
    2段落 例(円柱形の例 人間)
    3段落 例(円柱形の例 動物植物)
    4段落 説明 例外の例
    5段落 4段落の例外の説明
    ※2〜5段落にいわゆる柱の段落はないように思える。

  本文Ⅱ 6~9 なぜ生き物の基本は円柱形になっているのか
    6段落 問題(柱)
    7段落 例(実験1)強さ(8段落)のための実験
    8段落 説明 強さ(柱の答え1)
    9段落 説明 速さ(柱の答え2)
 
★本文Ⅲ
   10段落 柱
①    例 円柱形の利点1強さ(7・8段落を受けている)
②    例 円柱形の利点2速さ(9段落を受けている)
③    柱 「だからこそ」(結論を述べようとしている)(2~5段落を受けている)

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※こうしてみてくると、本文Ⅰは6段落の前提になっており、本文Ⅱは6段落の証明になっているといえる。よって、本文を分けたことの根拠?が薄らいでくる。本文は2~9段落でよいのではないかと思えてくる。それでもあえて分けるとすると
本文Ⅰ(2~5段落)前提
本文Ⅱ(6段落)結論
本文Ⅲ(7~9段落)証明
とする方が、文章構成的にあっているように思う。
だとすると、実践的にはこの【前提】→【結論】←【証明】の関係を読み取ることが論理読みの課題となるのではないかと思う。
しかし、こうしてみてくると
6段落は本文Ⅰの結論であるが、それは同時に本文Ⅲの前提になっているのではないか、ということである。そうすると以下のようになる
本文Ⅰ(2~5段落) 前提
                     ↓
本文Ⅱ(6段落)   結論=前提
              ↓
本文Ⅲ(7~9段落)    結論
ここで10段が浮かび上がってくる。
10段落は本文Ⅲなのではないか。そう考えるとぴたっとあてはまるように思える。
本文Ⅰ(2~5段落) 前提Ⅰ
                        ↓
本文Ⅱ(6段落)   結論Ⅰ=前提Ⅱ
              ↓
本文Ⅲ(7~10段落)    結論Ⅱ
ということになる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  ★後文
  11段落 柱
①    事実
②    説明
③    筆者の感想
④    意見
⑤    意見
⑥    柱

3,    吟味よみ1段落  多様であるが、共通性がある。ということは本当に多様と言えるのか?
    多様である証拠は?。(一般的に多様であること承認していい)
2段落 「体の部分で円柱形でないものはない?」・・・頭はどうか?(「首」がどこを示    しているのかも論議)
4段落 「でも」で、例外を出し、それを説明することで説得力を持たせている。
    逆にあらかじめ例外を出すことで読み手の思考を誘導しているとも言える。
    述べられた以外の例外はないか? 例えば卵や種はどうだろうか?卵や種は生き    物にとってもっとも重要なものであろう。しかし、円柱形ではない。球体に近     い。それは球体が一番強いからではないのか。
6段落 【前提Ⅰ】の【結論】は「生き物の基本が円柱形」だと読める。
    では、「生き物の基本が円柱形」とはどういう意味か?
    前文では「形の上でわかりやすい共通性は、「生き物は円柱形だ。」」とある。    「形の上」と限定がいつのまにか外されて、「基本が」とすりかわっている。
    正確には「生き物の形の基本形が」とすべきであろう。
8段落 「円柱形は強い形」の根拠は7段落の実験。強いにあわない例はないのか?
    チョウの胴体は円柱形であるが強いのか?ミミズは?
    角のある形より、曲げやすいから円柱形とは言えないか?
11段落 11段落の6文のうち5文が「多様」だと言っている。最後の⑥文だけが共通性を    述べている。本文で述べてきたことは「円柱形」であり、それは「共通性」で     あったはずである。
    「生き物は実に多様である。」多様でないことを述べてきたのではないか?
    「多様な大きさや形をかくとくしてきた」形まで多様だと言っている。矛盾して    ないか?
    筆者は「生き物は多様」だと(形もふくめ)。それが素晴らしいと言っている。    後文のほとんどそのことを述べることに使っている。このことから、筆者が言い    たかったことは「生き物は多様で、それであるがゆえに素晴らしい」ということ    だと考えられる。
    では、
   「それと同時に、多様なものの中から共通性を見いだし、なぜ同じなのかを考える    ことも、実におもしろい。」ということはどういうことか?
    見つだす行為、その理由を「考える」ことが「おもしろい」と言っている。
    前文と後文の整合性はどうか?。

※まだ不十分で不正確な分析である。たたき台として提示する。大変面白教材であり、ようやく小学校にも出てきた「論説文」である。みんなで深めていきたい。

例会報告 「生き物は円柱形」を考える

「生き物は円柱形」 その1

5月7日GW開けのサークルでした。参加は14名。本日は、2年生「たんぽぽのちえ」を記録文として視点と吟味よみ、5年生「生き物は円柱形」の2つをみんなで考えあいました。本日のサークルを受けて「生き物は円柱形」の流れを考えてみました。



★論説文の指導
5年生の「生き物は円柱形」という説明的文章は論説文です。「論説文」は5年生の子どもたちにとって、はじめて対面する説明的文章になります。授業では「論説文の読み方」を指導することになります。
一般的に「論説文」には筆者の仮説(主張や意見)が述べられその論証が示されています。
「生き物は円柱形」では、筆者の仮説を(【前提】→【結論】)を繰り返しながら証明している文章です。
そこで、はじめての「論説文」の指導として以下のようにことが必要になってきます。
①    最初にこの教材が「論説文」であることを理解させる。
②    「論説文」は一般的に(【前提】→【結論】)を繰り返しながら自分の論を証明していくものであることを説明する。(【前提】→【結論】の例文を示す)
③    ②の型を「指標」として「生き物は円柱形」にあてはめていく。
④    その論証の内容を吟味する。

実際の授業では、他の説明文どうように「表層よみ」→「構造よみ」→「論理よみ」→「吟味よみ」の順で進めていきますが、以下のように上記の指導を入れていきます。
0,    表層よみ(ここで上記の①と②の指導をする。)
1,    構造よみ(前文・本文・後文にわける)
2,    論理よみ(ここで上記の③の指導をする。)
3,    吟味よみ(ここで上記の➃の指導をする。)


★本文の論理よみは、6段落と10段落の関係から
 論理よみでは、本来は柱の文を中心に「絞り込み読み」を進めるテイクのですが、(【前提】→【結論】)のパターンを最初から当てはめていく方がわかりやすく時間的にもその方がいいと思います。(【問い】→【答え】でもよい)
さらに理解させやすいように2段落から順を追って読んでいくのではなく、まず6段落(前提)→10段落(結論)の関係を読み取ることがはじめる方がスムーズにいくと思います。

6段落「仮に、生き物の基本が円柱形だとすると、それには理由があるにちがいない。円柱形だと、どんないいことがあるのだろう。」
10段落「円柱形は強い。円柱形は速い。だからこそ、生き物の体の基本となっているといっていいだろう。」

まず6段落の読み取りをします。具体的には次のように子どもたちに問います。
「6段落の『どんないいことがあるのだろう』は「問い」であり実は「いいことがある」という【前提】にもなっています。では、その「答え」は何段落ですか?」
「10段落『円柱形は強い。円柱形は速い。』」が「答え」であり、【結論】になっていることを抑えます。その【結論】の根拠(理由)が7段落から9段落だということも確認します。(ここでこの根拠を吟味させてもいいと思います。)

次に6段落をくわしく読みとらせます。
6段落の①文目「生き物は円柱形」が前提となって、「問い」(どんないいことがあるのか?)になっています。ここでも【前提】→【結論】の関係になっていることを押さえます。この【結論】が10段落の【前提】になっています。
そこで
「では、6段落の「生き物は円柱形」であることの証拠はどこに書いてありますか?」
と子どもたちに聞きます。すると「2段落から5段落」であることがわかります。
この「2段落から5段落」までが6段落の「生き物は円柱形」の【前提】になっていることを押さます。
このように【前提】→【結論】=次の【前提】→【結論】を繰り返しながら論証していることをもう一度確認します。
論理よみはこのように流してくとスムーズにいくのではないかと思います。

続く、、、、